これらの湖はいずれも標高4,100m以上に位置している。国際総合山岳開発センター (英: International Centre for Integrated Mountain Development、ICIMOD) とUNEPによる最近の研究では、ネパールにある27の湖について潜在的な洪水の危険性があると報告している。

1996年、ネパールの水・エネルギー研究局 は、ディグ・ツォ湖、イムジャ湖、ロウアー・バルン湖、ツォ・ロルパ湖、ツラギ湖の5つの氷河湖は潜在的な洪水の危険性があると報告した。

ネパールでは数十年前から氷河湖決壊洪水が起こっているが、1985年に起こったディグ・ツォ氷河湖決壊は、氷河湖決壊洪水の詳細な研究の契機となった。

この洪水は1秒間に100万立方メートルの流量で数か月の間続いたとされる。背斜の断裂原因は分かっていないが、地震か、もしくは単純な湖の水圧の増加ではないかとされている。この洪水によって地峡が破壊されてグレートブリテン島とヨーロッパ大陸が分かれ、さらにイギリス海峡全体の谷の岩盤を削った結果、グレートブリテン島は流線型になり、大洪水に特徴的な縦の浸食溝が残された。

現在は北海に水没している)一帯に蓄えられていた湖を支える自然のダムとして機能していたウィールド・アルトア背斜(イングランド南部からフランス北東部にひろがる背斜)の断裂によって引き起こされたものである。

イギリス海峡は、約20万年前の大規模な氷河湖決壊洪水によって形成されたと考えられている。この洪水はドッガーランド(英: Doggerland、最終氷期、グレートブリテン島が大陸と陸続きであった時、現在のグレートブリテン島南東部に存在していたと考えられている陸地。

これまでの調査では、ブータンにある2,674の氷河湖のうち、最近の研究では24の氷河湖が近い将来に氷河湖決壊洪水を起こす可能性があるとされているが、評価に使用した衛星画像の解像度が低いこと、危険と判断した基準があいまいであること、チベット側の上流流域を含めていないこと等の問題や、近年と比較して1960年代までの衛星画像に決壊の痕跡がより多く写っているといった点から、決壊の危険度については再評価が必要と考えられる。

近年では、1994年10月にプナツァン・チュー(ゾンカ語: Phunatshan Chhu、「Chhu」は川の意味)の北東支流Pho Chhuの上流にあるルゲ・ツォ (ゾンカ語: Luggey Tsho、「Tsho」は湖の意味)が決壊し、氷河湖決壊洪水が発生した。これにより、ルゲ・ツォから約90km下流のプナカでは、旧河道のような低地も濁流に飲まれ、プナカ・ゾン (ゾンカ語: Punakha Dzong、ブータンの歴史的建造物)も一時孤立し損傷の被害が出た。

ブータンでは、1900年代に少なくとも3回の氷河湖決壊洪水の発生が記録されている。

最終氷期におけるハインリッヒ・イベント(北米ローレンタイド氷床からの氷山が北大西洋に大量に流出した事件。この頃の海底地層に氷河由来の堆積物が見つかることから推定されている)は、ハドソン海峡の入り口にあった氷にせき止められた、ハドソン湾(にあったと思われる湖)の大規模なヨークルフロイプによって引き起こされた可能性も指摘されている。

上流の氷にせき止められた湖でダムとなっていた氷が浮かび上がり、湖水が大規模に氾濫したのである。カナダの北極地方ではほとんどの氷河が低温で安定しており、氷にせき止められた湖水が排水される場合は氷のダムの上からあふれて排水されるため、この洪水はきわめて稀な出来事である。

2003年、ヨークルフロイプがエルズミーア島のトゥボーグ湖に流れ込んだ際には、その一部始終が記録された。

1994年、ファロー川でヨークルフロイプが起こっている。

1978年、カテドラル氷河からのヨークルフロイプによって引き起こされた岩屑流が、カナダ太平洋鉄道の線路の一部を破壊して貨物列車を脱線させ、トランスカナダハイウェイの数か所を埋没させた。

グラスホッパー氷河の先にあった氷河跡湖が氷河のダムを超えて氾濫し、湖にあった水は、グラスホッパー氷河の中央に長さ0.8キロの溝を作った。推定246万立方メートルの水が4日間のうちに流れ、32キロメートル下流の観測所の記録では、ディンウッディ川の水量は毎秒5.66立方メートルから毎秒25.4立方メートルまで上昇した。この洪水による岩屑(デブリ)は、ディンウッディ川に沿って32キロ運ばれた。この洪水の原因は、初めて正確な測量が行われた1960年代から進行している氷河の後退が原因であるとされている。

2003年9月6日から10日にかけて、ワイオミング州ワインドリバー山のグラスホッパー氷河で氷河湖決壊洪水が起こった。

最終氷期の間に、アガシー氷河湖からウォレン氷河への洪水が起こった。ウォレン氷河の跡には現在、ミネソタ川が緩やかに流れている。ウォレン氷河は、融解した氷河をちょうど現在でいうミシシッピ川上流へと運んだ。北アメリカ大陸の無漂礫土地域(英語版)(最終氷期に氷に覆われなかった地域、主に合衆国中西部の氷河の痕跡である漂礫岩が無い地域を指す)も、最終氷期全体を通して起こったグランツバーグ氷河湖やダルース氷河湖の決壊洪水に関連している。

先史時代(最終氷期終盤)、北米コロンビア川流域においてミズーラ洪水と呼ばれる大規模な連続氷河湖決壊洪水が起こった。これは現在でいうモンタナ州における氷のダムが定期的に決壊したために起こったもので、流出した水は現在のミズーラ氷河湖になった。

アラスカ南東部にある二つの地域では、ほぼ毎年氷河湖決壊洪水が起こっている。そのうちの一つがアビス湖である。ジュノー近くのタルセクア氷河が関わる洪水により、近郊の空港滑走路はしばしば浸水する。また近くにある40軒の山小屋はこの洪水の被害を受ける危険があり、いくつかは実際に大きめの洪水による被害を受けている。ハイダー付近のサーモン氷河からの洪水により、サーモン川近辺の道路に被害が出ている。

ヨークルフロイプの中には1年ごとに起こるものもある。クニック川 近くのジョージ湖は、1918年から1966年までの毎年大きな洪水を起こしている。1966年以降は氷河が後退して氷のダムが形成されなくなったが、もしも氷河が拡大して谷を遮るようになった場合、ジョージ湖は毎年の洪水を再開する可能性がある 。

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